日記1.IVR(6/19)

Markus Glaser „Internationales Sozialverwaltungsrecht“ 

今日はC. Determinationsrecht als Rechtskreis des Internationalen Sozialverwaltungsrechts(pp78-92)を読んだ。

二国間の社会保障協定を主な対象としたⅡ節の記述が厚く、例えば、原田大樹「第六章 グローバル社会保障法?」『行政法学と主要参照領域』pp185-212と比べても、ILO社会権規約を引き合いに論じる社会保障の国際的基準についての記述が薄いように思う。これは、議論の対象を各国の具体的な行政の活動のみに限定し、社会保障上のシステムや国際的なルール設計については論じないというGlaserの態度の現れなのだろう。つまり、本論文で問題となりうるとすれば、例えばArt.6 EMRKが社会保険における請求権と義務をどのように決定付けるかというように、あくまでそのinternationale Sozialstandardsが持ちうるDeterminationswirkungに限られることとなる。

 

Ⅱ節についてはまた改めて書こうと思う。

そもそも国際法のなかの行政法という思考の意義がいまだに納得しきれない部分が残るのだが…山本草二の『国際行政法の存立基盤』あたりを読めばいいのだろうか。

 

授業では形容詞の訳で困った。Die Determinationswirkung menschenrechtlicher Sozialstandardsを「人権上の~」と訳すとそれなりにわかった気になるが、いざ説明を求められると困る。もう「人権に基礎づけられる~」くらいの訳がふさわしいとの結論になった。ドイツ語はそれなりに日本語に訳せてしまう部分があるので、理解していないことに気付かず進んでしまうことも多そうである。気を付けたい。

そう、aktuellをaktualと見間違えて、相当悩んだ。